レビュー

映画「ルックバック」感想

こんにちは、ホロンです。

今日は映画「ルックバック」を見たので、その感想を書いていきます。

なるべくネタバレなしで書こうと思っていますが、もしかしたら多少含まれているかもしれませんので、ご了承ください。

あらすじ

学級新聞にギャグ4コマを載せ、友人たちから褒められていた藤野。

しかし、不登校の少女京本が同じく学級新聞に4コマを載せ始めます。

その京本の絵は小学生とは思えないほどの写実的な美しい絵。

4コマ漫画ではなく背景のみを描いたものでしたが、その圧倒的な画力に藤野は愕然とします。

そこから藤野は京本にライバル意識を燃やし、2年間ひたすら絵を描き続けます。

友人や家族からも苦言を呈されながらも描き続けた藤野でしたが、京本の絵のレベルには全く及ばず、とうとう筆を折ってしまいます。

それからは今までの鬱憤を晴らすかのように友達と遊んだり、家族と映画を見て過ごしたりと、絵とは無縁の生活を送るようになりました。

時が過ぎて卒業式を迎え、先生の頼みで京本の家に卒業証書を届けに行った藤野は、ひょんなことから家に上がることになり、所狭しと置かれたスケッチブックを見て唖然とします。

自分がやっていたつもりの努力は、全く及ばなかったんだ…というある意味での絶望感。

そこで藤野が描いた4コマがたまたま京本の部屋に入ってしまったことで2人は運命の出会いを果たします。

実は京本は藤野のマンガの大ファンだったのです。

この出会いから、2人による共同漫画制作が始まっていきます。

感想

総じて、なにかに打ち込んだことのある人にはとても刺さる作品だったと思います。

クリエイターのように作品を生み出していく人は必ず誰しも通る道です。

自分が最強だと思っていたけど、もっと才能のある人物が出てきて絶望し、その努力量が並大抵のものではなかったという圧倒される感覚。

スケッチブックを(たぶん)20冊くらい描いていた藤野も、もちろん努力していたのでしょう。

しかし、京本は部屋の前の廊下一面がスケッチブックで埋まるほど描きまくっていたのです。

僕を含めて、井の中の蛙だったときにはプロと呼ばれるような人たちがどんな努力をしていたのか、その裏側を知ることはまずありません。

自分がやっていた努力なんて努力のうちにも入らなかったんだと突きつけられたとき、そこで心が折れて辞めるという選択をする人が大半でしょう。

そこで諦めるか否かがその後の運命を大きく左右するんだと感じました。

また、この2人の出会いのときに藤野が引きこもりの京本にあてて描いた4コマのメッセージも僕には刺さりました。

「出てこないで!」

「出てきて!」

から始まるあの4コママンガです。

これは引きこもりの京本を半分からかっていたような内容ではありましたが、藤野の心境をかなり表していたように思いました。

「出てこないで!」はそのまま、「自分より才能のあるやつが自分の世界に出てくるな!」という悔しさを詰め込んだ心境。

しかし反対に、「出てきて!」とも言っている。

これは、「こんなに素晴らしい才能が埋もれていくのは惜しい!出てきて自分と関わってほしい!」とも思っているという両極を表しているように感じました。

こんなふうにみんな、人を尊敬する部分と嫉妬する部分を併せ持っていて、どちらを表に出すかで大きく運命は変わっていくのかもしれません。

本編では2人は出会って無事漫画家デビューを果たしていくわけですが、中盤から波乱が起こります。

ここからは完全にネタバレになるので詳しくは言えませんが、

「因果は収束するって、こういうことなんだろうな」

って思いました。

どういうルートを辿ろうとも2人はいずれ出会う運命だったのかもしれませんね。

これまでの人生で得たもの、失ったもの、それら全部をひっくるめて今に活かし、表現する。

クリエイターというのはそういう職業なんだろうなとしみじみ思いました。

まとめ

映画を通して、僕の努力がまだまだ足りないことを痛感させられました。

尊敬する人たちの圧倒的な努力量を目の当たりにすると、自分にはこんなに努力できない…と諦めそうになりますが、僕もブロガーの端くれです。

彼らのように名のある”何者か”にはなれないのかもしれません。

ですが、それでも自分にしか紡げない文章もあるはずです。

質にこだわりすぎて何も生み出せなくなっては本末転倒だと思います。

全てがヒット作である必要はありません。

自分の書く文章のどれかが誰かに刺さるかもしれません。

これからも文章を書き続けていきます。

それでは、今日はこのへんで。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。