こんにちは、ホロンです。
今、「自分とか、ないから。」という本を読んでいるのですが、これがかなり読みやすくてオススメです✨
無職、離婚、実家の布団にこもっていたという経験を持つ著者のしんめいP(@Sony_Shimmei)さんが東洋思想の考えに触れて書かれた本です。
この本では、
- ブッダ
- 龍樹(りゅうじゅ)
- 老子(ろうし)
- 荘子(そうし)
- 達磨(だるま)
- 空海(くうかい)
- 親鸞(しんらん)
といったインドや中国の哲学者たちを題材に、彼らがどんな思想の持ち主だったのか、どんな人生を送っていたのかなどをわかりやすく表現されています。
僕が何より面白かったのは、彼らの人生に対する著者さんのツッコミが入っているところ。
特に達磨大師と中国の皇帝とのやり取りのところで爆笑しました(笑)
達磨大師とはあの「だるま人形」のモデルになったインド人で、ブッダの時代から約1000年後の人物です。
その達磨大師が師匠から「中国に仏教を広めてこい」と言われて中国に行き、皇帝と話をしたのです。
以下、本文より一部引用します。
「わし、寺を1000個たてたんだよね」
「これ、めちゃくちゃご利益あるよね?」
すごい。寺、つくりすぎ。ご利益、あるでしょ。「ある」っていえば、皇帝よろこぶよ。禅を広げるチャンスだよ!しかし、達磨大師は、こう答えた。
「ない」
だめだよ。ダルマさん!社会人経験ないん?失礼すぎて、皇帝のメンツ丸つぶれ。まわりの人、「あいつ、ぜったい死刑だよ」ってザワついたはず。
引用:「自分とか、ないから。」p197〜198
こんな感じで、実際にあった出来事を読みやすいように砕けた文章にしつつ、ところどころ著者さんがツッコミを入れるように書かれているので、スラスラと読みやすい構成になっているのです。
もしかしたら、真面目に仏教を学んでいる人にとっては受け入れがたい表現かもしれません。
しかし、少なくとも僕にとっては龍樹や達磨大師などのエピソードは初耳でとても学びになりました。
ちなみに、なぜ皇帝が1000もの寺を建てたのにも関わらず、達磨大師はご利益がないと言い切ったかというと、「これだけ寺を建てたんだからご利益があるはずだ」という煩悩ありきで作られたものだからだそうです。
ご利益(功徳)は、「これだけやったんだからご利益が欲しい」という見返りを求めないことで得られるものだということですね。
他にも、いらすとやの素材やAI画像をふんだんに使った画像による説明も見ていて面白かったです。
こんなふうに、ところどころ著者さん自身のエピソードを挟みつつ、
無我・空(クウ)・道(タオ)・禅
などについて初めて触れる方にもわかりやすく書かれています。
まだ全部は読んでいないのですが、今も昔も人間は似たようなことで悩んでいるんだなぁということがひしひしと伝わってきました。
歴史に名を残したブッダを始めとした多くの覚者たちも悩みに悩んだ末にある種の答えを導き出したわけです。
彼ら覚者でさえ、悩みに悩み抜いてようやく答えを出せたわけです。
そう簡単に解決できない問題であることは想像に難くありませんね。
であるならば、彼らの教えを学んで実践するのが手っ取り早いのかもしれません。
ただし、悩みというのは自分の心のステージによって形を変えてやってくるものです。
もしかしたら、生きている限り「悩みから完全に抜け出した!」という状態には永遠にたどり着かないものなのかもしれません。
それならそれで、その状態を受け入れてしまうのも一つの手だと思います。
ちょっと話がそれましたが、とっつきにくい印象のある東洋哲学の入門書としてかなりオススメできる一冊です。
この本を読むことで東洋哲学に触れて今の悩みを少しでも軽くできる人が増えたらいいなと思います。
それでは今日はこのへんで。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。